Friday, June 08, 2007

「情報推薦機関としてのライブラリモデル」を読んで

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『情報の科学と技術』 Vol. 57 (2007), No.5 特集=「図書館情報学の研究動向と新たな流れ」 に掲載されている投稿記事

「情報推薦機関としてのライブラリモデル -情報プッシュ型に関する一考察-」
 松尾徳朗 (山形大学工学部情報科学科)
 藤本貴之 (園田学園女子大学未来デザイン学部文化創造学科)

を読んだ。これからの図書館のシステムを考える上で参考になる。

「今日、図書館の多くは、利用者にとって、自らがそこへおもむき、主体的に情報や知識を引き出すという意志や行為を伴う、いわば『プル・メディア(Pull Media)』ともいうべき存在」であるが、これからは図書館側が、「自ら積極的に収集・編集した情報を利用者に対して積極的に提供する『プッシュ・メディア(Push Media)』として機能させること」、すなわち、図書館が利用者に対して『主体的なかかわり』を持つことが重要だと提言している。

具体的には、図書館システムが保持している利用者の検索履歴、貸出履歴などに加えて、学務情報システムが管理する受講履歴、成績情報、就職アンケート情報など、個々の学生のプロファイル情報といったものと、関連図書情報をリンクさせる。こうすることで、「学生の学修を支援するだけでなく、図書館が能動的に学生になんらかの学修の動機付けを与えたり、情報提供」を行えるようにしようというもので、新しい『情報プッシュ型の図書館モデル』を提示している。

そのために、学生が履修登録などで利用する電子シラバスに、授業内容に関わるキーワードを数個程度あらかじめセットしておく、あるいは学生自らが興味分野に関するキーワードや資格や進路に関わる情報をセットする。こうして学生個々人の受講履歴や検索履歴から関心分野のキーワードを拾い出し、図書館に所蔵している図書情報とマッチングさせる。

また、OPACによる既存の書誌情報に加えて、Amazonなどが提供する目次情報やレビュー情報を取得する。Amazonだけでなく、「トーハン、日本出版販売、紀伊國屋書店、日外アソシエーツの共同での構築データベースであり、国内出版図書の内容情報を収録した BOOKデータベース または、世界20ヵ国の国立図書館において収集した出版物の情報に関して電子化されたデータベースであるMARCデータベース」も利用可能にするとしている。

学務情報システムと図書情報データベースとの間に、こうした情報取得、照会、マッチング、推薦等の処理を行う「ミドルモジュール」を配置する。これを『図書情報推薦機構』と呼んでいる。個々の学生に対し、それぞれの学修状況や問題関心に応じた関連図書情報を推薦提供する仕組みである。

AmazonやGoogleでは、登録ユーザーがサービスを受ける際に承諾したことを前提にではあるが、ユーザー個々人の購入履歴や検索履歴をすべてサーバー側に保持している。そして、それをもとに各ユーザーに即した新たな関連情報を提供するというサービスはすでに行われている。
こうした仕組みを図書館にも取り入れていこうというわけだが、アメリカなどではすでに試みは始まっている。

個々の利用者の貸出履歴、検索履歴などを活用することには抵抗感もあるだろうが、 新たなサービス展開という積極的側面から、検討すべき課題となろう。


本学の図書館では以前から、新着資料について書店の協力を得て「出版情報」にリンクさせてもらい、参考情報として表紙や目次情報などを提供している。このことを岡本真さんがブログで取り上げて下さった。

ACADEMIC RESOURCE GUIDE (ARG) - ブログ版:■[新着・新発見リソース][龍谷大学図書館]龍谷大学図書館、サイトをリニューアル で、龍谷大学図書館の新着資料情報サービスについて紹介していただき、次のように評価していただいた。

|特筆すべき点は新着資料情報だろう。新着図書からは
|紀伊國屋書店による書誌情報ページにリンクし、
|新着雑誌からは雑誌発行元のサイトへとリンクしている。
|蔵書検索(OPAC)に同様の機能がないのは残念だが、
|大学図書館のサイトから書籍を直接購入できる書店サイト
|へのリンクが設けられたことは画期的といえるだろう

龍谷大学図書館 新着資料情報
深草図書館 新着図書情報(開架図書のみ)

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