大学図書館支援機構のこと

「大学図書館支援機構」なるNPO法人が今年1月に発足していた。慶応大学の上田修一氏や立教大学の牛崎進氏らが名前を連ねている。 (更新:URLを訂正した 2008/07/05)
設立趣旨書にあるように、日本の多くの大学図書館では、「アウトソーシング導入や人事異動が頻繁に行われる結果、専門的知識を必要とするはずの職員数が著しく減少するに至っている。」
今後の大学図書館を展望しようとする時、「甚だ困難な局面に立ち至っていると言わざるを得ない」状況にあり、「図書館をどのように経営するか、OJTが不可能になりつつある職員の研修プログラムをどのように設計し実行するか、必要とされる知識・技術レベルをどのように維持するか、意欲ある有能な非正規職員の確保と彼らのキャリア設計をどのように図りうるか等、個々の大学図書館や既存の大学図書館界の緩やかな協力団体の努力だけでは解決が困難になっている。」
そこで、アメリカの非営利団体の OCLC のように、「大学組織の外から大学図書館の運営を非営利事業として支援する事業体」を設立し、「政府機関、民間、大学団体、図書館コンソーシアム等からの支援あるいはそれらの機関との協働を図りつつ事業を展開して」いきたいと趣旨書には書かれている。
実際、多くの大学図書館で職員削減や人事異動が繰り返され、経験を積んだ図書館職員がどんどんいなくなってきている。それにかわって図書館の専門的業務を担っているのは、書店系や流通系、人材派遣などの業者が供給する非正規のスタッフである。
アメリカのライブラリアンのようにMLS(Master of Library Science)を持ち、プロフェッショナルとして
それぞれのポストにつき、必要に応じて水平移動していく仕組みとはまったく異なる、「擬似的」な妙な形の「プロフェッショナル供給構造」ができあがりつつあるように思う。これが変に定着してしまうのは、図書館にとっても、彼らスタッフにとっても、あまり健全とは言えないだろう。
現実の状況をふまえつつ、なにか新たな仕組み、仕掛けを考えるべき時期だといえよう。その意味から、この機構の設立は日本の大学図書館が抱えている課題に一石を投じている。まずは書店系や流通系、人材派遣などの民間業者との協働関係を模索することが重要に思う。
<参考記事>
・カレントアウェアネス・ポータル: 大学図書館支援機構(日本)















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