Saturday, September 09, 2006

CIOの悩み--企業情報システムはグーグル化していくのだろうか?

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CIO Magazine 2006年8月号に掲載の次のような記事を読んだ。
<Web界の巨人「グーグル」の果てしなき野望 “Webコンピューティングの旗手”が企業ITの制覇に乗り出した!>
まず、Googleの強みを次のように分析している。以下は引用抜粋。

・今や時代の寵児としてもてはやされるグーグルだが、同社を単なる「検索サービスやアプリケーションの会社」と考えるのは早計である。
・クリス・シャーマン氏は、「グーグルは、低価格の市販PCを使い、自前のOS(高度にカスタマイズされたLinuxベースのGoogle File
System)を稼働させれば、システムを無限に拡大できるということに着目した最初のベンダーだ」と指摘する。
・スー・フェルドマン氏は、「グーグルの強みは、検索などのサービスにあるのではない。高度に最適化されたコンピューティング・プラットフォームにあるのだ」と力説する。
同社が保有するサーバーは10万台とも15万台ともいわれているようだ。これを背景にGoogleはデスクトップ、ツールバー、パーソナライズドホーム、Gmail、Google Group、Calendar、Maps、Picasa、Spreadsheets、Writelyなどの便利なWebアプリケーションとコンピューティング環境を無料で提供し、全世界のユーザーに自由に使わせようとしている。グーグルのアカウントユーザーは「ねずみ講」のように増えていく。
こうした個々のユーザーが企業にどのような影響を及ぼすか、また企業のCIOはそれにどのように臨むべきかということが問題になってくる。

・IDCのコンテンツ戦略調査担当副社長、スー・フェルドマン氏は、「CIOは今、Webアプリケーションを認めるか否かといったことで悩んでいるべきではない。もはや、その流れに自ら飛び込むしかないのだ」と、CIOに決意を促す。
・今現在、オフィスでは、従業員たちが使うアプリケーションはCIOあるいはIT部門によって管理されている。その多くはクライアント/サーバ・アプリケーションだ。そしてそのシステムは、ビジネス上の要求を適切に満たし、なおかつ大多数の従業員のニーズを満たしているという理由の下に運用されている。だが、オフィスから1歩外に出れば、従業員たちは自らの意思で使いやすいアプリケーションを選び、それを活用して仕事をしている──このギャップが、今後、何らかのかたちで顕在化してくる可能性があるのだ。
・これは、裏を返せば、エンタープライズ・システムと個人のコンピュータとの垣根がなくなりつつあるということでもある。

そして、グーグルのジルアード氏は記事のなかで次のように述べている。

・「Webアプリケーションに対して寛容な態度を示すのか、はたまたアクセスを遮断するといった強硬な姿勢をとるのか──CIOはいずれの選択をすることもできるのだ」(ジルアード氏)
・そう言いながらも同氏は、仮にCIOがどちらの道を選んだとしても、結局、エンドユーザーはWebアプリケーションを使うことになるとも指摘する。
・「当社のエンタープライズ戦略は、だれも気がつかないうちに進むだろう。しかも、ある日突然というわけではなく、じわじわと浸透していくはずだ。現に今、そうした状況が目の前で起こり始めている」(ジルアード氏)
・「今のCIOは、セキュリティに対する不安が強いためか、情報を守ることばかり考えている。だが、そうした考え方の下で、10年、20年先を見据えた企業の成長戦略が描けるわけがない。CIOは今こそ、企業を革新する原動力とは何か、常に新しいものを取り込めるような環境を整備するためには今何が必要か、といったことを問い直す必要があるのではなかろうか」(ジルアード氏)

日本ですぐにそうした影響が出るとは考えにくいが、数年先を考えると、小さな企業や大学のような割に自由度の高い組織ではこうした影響はかなり受けると考えられる。

梅田望夫さんが4月の時点で日経コンピュータのインタビュー <「梅田さん、Web2.0って企業情報システムに影響しますか?」> に応えて、Web2.0は世の中にさまざまな変化を及ぼすが、企業の情報システムに変化が及ぶのは最後になると思うと述べた上で、企業では基幹系の業務システムではなく、情報サービス系システムが影響を受ける可能性は大だと指摘し、さらに次のように付け加えている。

・Web2.0への取り組みに必須なことは「企業の開放性」だと考えている。技術の問題ではなく、この「開放性」が真の問題となる。「開放的」な経営を志向する会社が、まずWeb2.0に取り組むことによって新しい競争力を得る。そういう事例を目にしてから、旧来型組織が少しずつ動くという感じになるだろう。いずれにせよ時間がかかる。10年くらいのスパンでゆっくり変わっていくことになると思う。

大きな組織ではこの「開放性」をダイナミックに取り入れるのは難しいが、先の指摘にあるように、企業のシステムと個人のコンピュータがWebという世界で垣根がなくなってくるとなると、よほどの強制的禁止をしない限り、影響はまぬがれなくなるだろう。
AkihitoKさんがブログPOLAR BEAR BLOGの記事、 エンタープラズ2.0で次のように書いておられるが、私自分が最近現場でgoogleなどのweb環境を実験的に「ゲリラ的に導入」しているようなものなので、うなずいてしまう。

・一方、MacAfee教授が指摘した「コストや労力をかけなくても、簡単に導入実験が行える」という点も重要ですね。これもiUGで様々な方が指摘されていた点ですが、例えば社内ブログ/SNSは非常に安価・短期間で導入することができ、「とりあえず入れてみる、反応を見て運用方法を調整する、ダメなら捨ててしまう」という態度でも始めることができます(もちろん事前の考察がされるに越したことはありませんが)。同様に、「Web2.0技術を現場がゲリラ的に導入する、それが突破口となって全社に浸透する」といったケースが今後増えてくるように思います。
(アンダーラインは引用者)

企業(私の場合、大学だが)の内外を問わず、関心のある様々な人たちが、ゆるやかにつながり、連携しあい、意見を交換し、コラボレーションできるような、そんなオープンな環境が、ブログというような仕掛けをとおして可能になっていくのだろう。


マイクロソフトなども新たなWeb環境を提供

マイクロソフトやヤフーなども負けじと同じような環境を整えて提供し始めており、この3社はしばらくはもつれあいながら展開していくのだろう。マイクロソフトの新しいブログサービス Windows Live Spaces <「Windows Live Spaces」の利用者増加が続く~英Netcraft調査> によると、8月の利用者増加はすごいようだ。また、汎用のブログ投稿ツールとして次のようなブログWriterも提供しており、GIGAZINEの記事<マイクロソフトのブログ投稿ツール「Windows Live Writer」> に、実際にインストールして使ってみた詳細レポートがあったので紹介しておく。

同じように、feedpath も汎用のブログ投稿ツール Blogエディター を提供している。こちらは私も試してみた。

3 コメント:

Anonymous said...

黒澤公人です。
ブログの立ち上げおめでとうございます。
よろしく。

Su-san said...

ありがとうございます。
黒澤さんはずーっと図書館で頑張っているのですね。私自身は今は図書館とは直接には関わっていないですが、関心だけは持っていようと思っています。

この2か月ほど、Googleの動きやWeb2.0などという環境変化についていろいろと調べ、ブログなども実際にやってみたりするなかで、これはコミュニケーションやコラボレーションの新しい形態としてmainstreamになっていくなと感じています。
また今後も参考にさせてもらいます。

cliff said...

Google SpreadsheetsやNumsumなど聞いたことがありますか。我々もこれらと同 じく無料オンラインスプレッドシートアプリの一員であるEditGridというです が、すでに日本語化しておりましたので、ぜひお試しください。 http://www.editgrid.com/intl/ja_jp/new